1.使用機器
C-beam(Candela Laser Corp,Tokyo,Japan):波長585nm、パルス幅450μsec、レーザー径は5、7、10mmから選択可能で、DCD(Dynamic
Cooling Device)をオプションとして搭載できます。DCDとは代用フロンによる冷却装置で、レーザー照射数mm秒前に−30゜Cの冷却ガスが照射面に噴霧され皮膚表面温度が−5℃〜−9℃にまで低下するため照射による表皮の熱障害を軽減することが可能で、レーザー径10mmで最大8J/cuと従来の機器よりも高出力でのレーザーが可能になっています。
照射時の疼痛に関しても、皮膚表面を冷却するので従来の機器使用時と比較して軽減されます。また、C-beamのパルス幅は450μsecであり、乾癬皮疹部の真皮乳頭層の異常毛細血管(く30μm)での熱緩和時開(Thermal
Relaxation Time)と近似しているため、乾癬病巣での病理学的特徴である真皮乳頭層の拡張した毛細血管に選択的に作用することが可能であることも周囲組織への影響が少なく抑えられる理由の1つになっています。 |
2.治療方法
1)照射方法
照射時に局所の灼熱感の訴えがあるため、照射の30分〜1時間前から照射予定部に局所麻酔クリームを塗布し、局所の除痛をはかり、7%リドカインクリームODT療法を施行しています。除痛効果とともに、厚い鱗屑を付着している場合はODT療法により痂皮が浸軟化しレーザーの進達性が高まることが期待されます
。厚い鱗屑に対してミネラルオイルやピーナッツオイルを塗布することでレーザーの進達性が高まるとした報告もあります。レーザー照射はスポットサイズ10mm、レーザー出力8J/cm2、DCDのSpray
Time30 ms、 Delay Time 30ms にて行います。照射後は直ちに乾癬の紅色局面は内出血反応により、暗赤色調を呈し周囲には発赤が生じるので照射部分のコントロールは比較的容易です。
照射後に疼痛がある場合はアイスパックか冷やしておいたハイドロゲルシート(ビューゲル9)での冷却が有用です。 |
2)照射後経過
レーザー照射部は照射直後より赤紫色の内出血斑となり、その周囲には発赤を伴います。ほぼ全例で内出血斑の一部が数日後にびらん化した後、痂皮化します。痂皮の剥脱後、乾癬皮疹は平坦化し、先行する治療などの影響ですでに平坦化し発赤を伴っていた病変部では、皮疹が白く(正常皮膚色に)抜けて見えることもあります。
最終照射より約1ヶ月後に効果判定を行います。1回で著明改善を示す症例もあるので、続いての照射は毎回照射後の経過を診てから決定します。先回照射部にパルスダイレーザーを続けて照射する必要がある場合は痂皮が脱落するまで期間をおきます。 |
3.治療効果
海外の文献では、尋常性乾癬に対する585nmパルスダイレーザー療法の有効性については、その照射方法や評価方法に違いはありますが、19症例の検討において11例(57%)、8症例中5例(63%)、11症例中7症例(64%)、10症例中6症例、60%〜50%以上の改善率が認められています。
また、アブレージョンとの併用例も含めての11症例中8例(73%)での有効性の報告もあります。治療効果判定には、皮疹の潮紅、鱗屑、浸潤を4段階で評価し、その総和をもって局所での乾癬皮疹の重症度とする、Plaque
Severity Scoreを用いています。有効率は現在までのところ半数の症例で51%以上の有効率が認められており、585nmパルスダイレーザーは、尋常性乾癬に対する新しい有用な治療法であると考えています。
また、背部を含む体幹の方が手足を含む四肢よりも有効率が高いことが認められています。照射時の疼痛、照射後のびらん、および痂皮形成以外に、乾癬皮疹の悪化などの副作用は認められておらず、寛解期間については半年、3年と長期にわたる症例も認められています。 |