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医療レーザー治療 

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Er:YAG レーザー

 

Er:YAG レーザーと臨床応用の潜在性

Er:YAG レーザーは、Erebium:YAGを、フラッシュランプを使いエネルギーを高くしてして、中赤外線のレーザー光を発行させる周体パルスレーザーシステムです。
Er:YAG レーザー光の波長は2.94μmで、パルス幅 約350μsec、1ショット当たり約60〜500mJのパルスレーザー光を5〜12Hzの繰り返し周波数で照射することが出来ます。
Er:YAG レーザーは、医療用としては比較的新しいレーザー装置と言えますが、すでに理化学用として製造技術が確立されている固体レーザーであるため、安定した動作ができ、メンテナンスの手もほとんどかかりません。
Er:YAG の最大の特徴は、水に対する吸収率が非常に高く、今まで、水に吸収されるレーザーの代名詞とされてきたCO2レーザーの、約13倍もの吸収率をもっていることです。
Er:YAG の光の特徴や臨床的な効果については、Kaufmannら欧米の研究者たちによって、かなり明らかになっています。
現在、蒸散、凝固、切開を目的とした医療用レーザー装置として、Nd:YAG、HolmiumYAG、KTP、CO2等が上げられますが、レーザー光そのものの持つ特性を比較するために、これらの装置を一同に集め、パワー、パルス幅、繰り返し周波数等のパロメータを完全に揃えることは難しいと言えます。
しかしながら、Kaufmannらは、これらを比較し、組織学的な検討から、Er:YAG がCO2のSuperPulsやNd:YAG, Ho:YAG に比べ、凝固層が最も浅く、周囲組織への熱ダメージ(Thermal Damage)が最も少なかったと報告しています。
また、Er:YAG は蒸散面が組織学的に非常になめらかで、照射中は炭化層のないクリーンでフレッシュな術野が得られたと述べ、蒸散の深さや凝固層の厚みは、パワー密度(J/cm2)と繰り返し周波数(repetition rate)によって、完全にコントロールできるとしています。
これらの効果は、Er:YAG レーザー光が著しく水へ吸収されることにより、エネルギーの大部分が表層細胞内の水分に吸収され、あまり深部へ透過(Penetration)していないことによって起こると考えられています。Shomackarら3が、in vitroで、波長可変型のレーザーを使用し、水への吸収率と熱変性域(Thermal Damage Zone)の間に強い負の相関があったことを報告していることも、Er:YAG の周囲組織への熱ダメージの少なさを裏付けています。
また、Kaufmannらが行ったEr:YAG の臨床実験において、Epidermal naeviを蒸散、治療した皮膚は、炎症もSuarringも起こらず、早いRe・Epithelization が得られたとされ、Aretzらが行ったラットによる企画実験でも、Er:YAG のHealing Process は、CO2のSuperPulsのものよりも早く、メスと変わらなかったと報告されています。
このような特徴を持つEr:YAG レーザーは、表層組織を薄く削り取るようなアプリケーションに最適であると考えられます。 例えば、皮膚、形成外科領域では
1)Resurfacing 2) Acne scarring 3) Lontigines 4) Epidermal Nevi
5) Wrinkles 6) Age spots 7) Spillus Nevi 8) Syringomas
9) Freckle 10) Adenoma 11) Sebceum  
Er:YAG レーザーは凝固層が浅く、周囲組織への熱ダメージが小さいことから、治癒が早い、また、Hyper Pigmentationの危険性が少ないと言われていますが、反面、深く切開を行うときには、止血効果に欠ける短所もあります。
現在のところEr:YAG レーザーに関する文献はKaufmannのものしかありませんが、最近、韓国では臨床応用が大変盛んです。 高麗大学皮膚科学 Prof.kyu は、Er:YAG を、特にResurfacingやAcne Scar,Lgentigincs等の治療に臨床応用し、良好な成績を治めています。
Prof.Kyuは、CO2レーザーのウルトラパルスと治療域の病理を比較し、Er:YAG は、熱凝固層がCO2の半分以下であるため、Hyper PigmentationやErythmaがほとんどないとしています。
また、上皮の再生も早く、1週間程度で通常のメイクアップが可能です。 さらに、Hypertropic Scar等、Er:YAG で上皮のPeelihgを行ってから、パルスタイレーザーで赤みを治療するなど、従来のレーザー機種と組み合わせたCombination Theraphyへの応用の可能性もあるようです。
さて、Kaufmannらが示しているように、パワーや繰り返し周波数を変えてやることで、Er:YAG は上皮のPeelihgから、深層の凝固切開まで、幅広いアプリケーションに対応できるすばらしい潜在性を持っていると言えるでしょう。
しかし、いかに熱ダメ−ジが小さく、刺激が少ないとはいえ、Er:YAG レーザー単体では最高の治療は出来ません。
Er:YAGや他のSkin Resurfacihgを行う先生方は、みな、レーザー治療前後に皮膚のPre、Port、Treatmentを十分に行うことが、治療成績を左右する重要なファクターであることを、強調しています。
これまでCO2レーザーの独壇場であった米国のスキンサーフェシングの市場は、現在反省期に入り、より安全なリサーフェング用レーザー装置として、Er:YAG レーザーが大変注目を集めています。
サンフランシスコで催されたAAD(American Academy Dermatology)の展示会Er:YAG レーザーの米国での使用経験を含めた最新情報を以下にまとめてみました。
 

米国におけるEr:YAG レーザーの現状

Er:YAG レーザーは、波長は2.94μmをもつパルスレーザーです。
Er:YAG レーザーの大きな特徴として、図-1に示すように、水に対する吸収率が非常に高く、現在、スキンリサーフェシングに使用されるCO2レーザーの、約13倍もの吸収率をもっていることです。
この性質によって、Er:YAG レーザー光は、組織に当たると、エネルギーの大部分が表層の細胞の水分に吸収され、あまり深層へ浸透していきません。
結果として、CO2レーザーに比べ、凝固層が浅く、周囲組織への熱ダメージ(Thermal Damage)が最も少ない蒸散面が得られます。あまりに熱ダメージ層が少ないため、Er:YAG をコールドレーザーと呼ぶ人もいます。
熱ダメージ層が少ないことから、リサーフェシング時の術野の副作用が軽減されるであろうと予測のもと、米国ではすでに先進的な医師たちの手によって臨床が開始されています。
以下に、彼らのコメントをまとめてみました。
Er:YAG レーザーを使用している米国医師達のコメント
Dr.Richard Fitzpatrick,La Jolla,CA
Er:YAG レーザーは、非常に薄い層の組織(10μmくらい)を削り取ることがでます。
また、CO2レーザーに比べて、行き過ぎた熱ダメージ層を生じることなく、浅くも深くも削ることが出来ます。 これは、サンダメージを受けた表皮を、下部層に熱ダメージを与えずに薄く削りたい時や、手、腕、首等のリサーフェシングに、潜在的に向いていると言えます。皮膚の収縮や長期に渡るErythemaを防ぎつつ、表面を薄くリサーフェシングしたい時にEr:YAG は、大変有効です。また、瘢痕修正や厚い皮膚を削るときにも有効であると考えられます。
Dr.Craig Zehrihg,Florida
Er:YAG レーザーをリサーフェシング、アクネスカー、切開に使用していますが、治療までの時間が著しく短いのです。ほとんどの患者さんの皮膚は、最初の4日間が強くピンク色になりますが、1週間程でおさまってきて、2週間ほどで正常の色に戻ります。CO2の場合は6週間経っても、まだ赤いというのが一般的です。Er:YAG は、皮膚に対する熱ダメージがほとんどないため、Hypopigmentationのリスクが低い等、安全なレーザーと言えます。
Dr.Albert J.Nemeth,Clearwater,FL
Er:YAG レーザーをしわとり、アクネスカーに使用しています。Er:YAG レーザーは、より精密手術ができ、組織やコラーゲンを取り去る能力に優れています。特にアクネスカー、口の周囲の治療には、CO2より向いています。
Dr.Stephen Lake,Bevrly Hills,CA
Er:YAG レーザーをしわとり、若返り術、光ダメージと瘢痕に使用しています。
Er:YAG レーザーは、CO2に比べ、痛みが少ないので、局部麻酔のみで治療できています。EMLAクリームのみで1パス目を行い、上皮を取り去り真皮に麻酔を浸して、5〜7分待ってから、2パス目以降を行っています。 他に、治療までの時間が短く、肌の赤みが早く消えます。またPigmentary Changesが起こりにくい等の利点が上げられます。
‘97AADに出品されていたEr:YAG レーザー
機種名 / メーカー名  
エネルギー
パルス幅
繰り返し
MCL29 / Aesculap Mcditec
100-1200mJ
350μsec
1-15Hz
CB Erbium / Comtinuum Biomedical
-2J
-
-10Hz
Derma 20 / ESC Medical System
0.1-0.7J
350μsec
5-12Hz
GEM 2000 / Crystal Focus
0.1-1J
150-300μsec
4Hz
他にCandela(Fotona)、HGM、SEO Medicalが出品していましたが、スペックは不明。
現在までの情報を総合すると、Er:YAG レーザーは:
1)凝固層が浅く、周囲組織への熱ダメージが小さい。
2)精密な手術操作が可能。
3)創傷治療が早い。
4)Erythemaの期間が短い。
5)Hyper及び Hypo pigmentation等の危険性が少ない。
6)首、手、腕、口の周囲などの治療に向いている。
7)瘢痕修正、アクネスカーに有効。

といった意見があるようです。
反面、
1)止血能力に欠ける。
2)熱作用が少ないことで十分なコラーゲン収縮が得られるか疑問。
3)Er:YAG での取ったしわがCO2と同じくらいの期間、保つのかどうか疑問。

等の欠点や疑問点も上げられます。
 
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